お母さんは、君達の優勝旗を見て、泣いたよ!
―お母さんは見たシリーズ 2003年完結編― Aチームの母
御存知のとおり、最後の最後の試合で、Aチームは宿敵有野台Aチームに4対1で勝たせて頂きました。
河村甲北連盟会長が、「優勝した箕谷Aチームの健闘は素晴らしく、喜びもひとしおでしょう。」と言って下さった時、胸に熱いものが込み上げて来て、涙がポロリポロリ。試合中、優勝を確信して泣いてしまったF君のお母さん、T君のお母さん、H君のお母さん、皆心は一つ、「優勝」の二文字。幾多の大会で目の前を通り過ぎた「優勝旗」、それが欲しくって悔し涙を流した日々が、走馬燈の様に廻って・・・優勝した瞬間、言葉も出ず、H君のお母さんが「良かった」とつぶやいたのに、「ウン、ウン、」とうなずくのが精一杯。メガネが曇って、13人の姿が見えない。ドドッーと君達が集まって、お母さん達に「アリィガットウゴザイマシタ!」と帽子を取り挨拶。いつもの事なのに、昨日よりひとまわりもふたまわりも大きくなったような「よう!この親孝行息子」と声を掛けたくなる。阪神も18年ぶりに優勝したし、「野球に奇跡はつきもの?」甲北リーグにおいては無敵無敗の有野台Aチームに★を最後に一つプレゼントできたことは、息子達にとって最高の思い出であり、これからの自信につながると思う。
星和台戦から、『キャプテンに優勝旗を!』と皆に発破をかけていたことが現実になり、キャプテンが堂々と優勝旗を掲げ、3塁から1塁側へ行進するのを見て感無量。途中、コースを間違えたが、「まだ、行進したいんとちゃうか?」と冷やかされても、甲北リーグのコーチ陣に暖かく見守られながら、君達が喜びを噛み締めながら行進していた姿が初々しかった。それを見守る監督、コーチ達、お母さん達の心境は如何ばかりか?
「野球やっててよかったな。お兄ちゃん!」応援に来ていた弟に言われて、「うん、」と素直にうなずく兄。それはあんたのセリフやろ。と思いつつ、優勝したことで、弟も感動したのか、「僕も頑張るわ!」と紅白戦へ。幸運にも、初めてヒットを打ったとか。「やったー!今晩は焼肉だー!」と喜んだが、兄の祝勝会と重なり没。我が家にとっては、盆と正月が一度に来たみたいで、「これだから、野球はやめられない。」と主人、イソイソと祝勝会へ。
『あーあ、しんどかった。』N監督が開口一番、言ってくださった。星野監督みたいに、胴上げとまではいかなかったけど、子供達、コーチ達、お母さん達は、胴上げ以上に皆、感謝感激でした。最後の最後まで、予想がつかないAチームを信じて、指導してくださったJ総監督、N監督、コーチ陣、陰ながら応援してくださったAチーム隠れファンの皆様、『一年間、時に厳しく、時に優しく、ご指導・応援していただき、本当にありがとうございました。』皆様の人柄に支えられ、子供達も苦しくても、やめず頑張り、『優勝』という結果を、13人で勝ち取れたのです。この1年の成長には、目を見張るものがあります。中学に入っても、野球を続ける者、違うスポーツをする者、道はそれぞれ違うけど、小学6年の時、この箕谷少年野球部でともに最高の思い出をつくったことを忘れずにね。
試合のたびに、忙しい中、応援に来ては、手作りお菓子や飲み物の差し入れを欠かさずしてくださったF君のお母さん、Y君のお母さん、お茶当番のお母さん達、本当にありがたかったです。試合に負けて、監督、コーチにボロクソに叱られても、お母さん達のお菓子でどれだけ救われたか。(息子談)とりわけ、優勝のときのF君のお母さんの手作りカステラは最高でした。お母さん達ありがとうございました。今まで御苦労様でした。「こんな(優勝)苦労ならいつでもするよ。」と返事が返ってきそうな、私以上に少年野球を、息子達を愛してやまない素敵なお母さん達でした。一緒に応援できて楽しかったよ。ありがと。
暑い日も寒い日も、子供達と一緒に、練習し指導したコーチ陣のお父さん達、御苦労様でした。期待すれば、ことごとく裏切られ、相手が強豪チームだと意外や意外、勝ってしまう不思議なチームに振り回された一年でした。「結果良ければ、全てよし!」最後の最後に『優勝』できたので、今までの疲れも吹っ飛んだ?「いいや、欲を言えば今のような試合が年の初めに出来ればなあ。」と試合が終わった寂しさを感じているよう。
親達が感傷に浸っている中、祝勝会は盛り上がり、子供達によるエール交換、「ミノタニィ、ファイト!オウ!ファイト!オウ!」「N監督!、ファイト!オウ!ファイト!オウ!」花束贈呈、皆がアーチを作りN監督に通ってもらうフィナーレ。「この日を迎えることが出来て、本当にうれしい!」と誰もが思ったに違いない。ドラマの筋書きのようなハッピーエンド。正面に飾られた君達の『優勝旗』を見て、・・・お母さんは泣いたよ。お母さんシリーズで願ったことが現実になり、現実にしてくれた13人の息子達に言いたい。『よう、頑張った!夢を、感動をくれてありがとう!』『これからも、君達は主役やで。』
完 2004年、新シリーズに続く・・・